アジア、アフリカ、中南米など、発展途上国の原料や製品を安値で買い叩くのではなく、フェア(公正)な価格でトレード(貿易)することによって、貧しい小規模生産者の自立を支援するビジネスのやり方です。
商品のほとんどが自然の素材を使った手づくり品で、原料の多くは有機農業で栽培されています。 生産者から消費者までの流れが透明で「顔の見える貿易」とも言われ、商品は作った人々の物語もいっしょに運んできます。
貧困地域に安定した仕事が生まれることで生活が向上し、1日3回ご飯が食べられるようになったり、子どもが学校へ行けるようになったりしています。
簡単にフェアトレードのことが分かるビデオを見てください。
(店内は能勢に移転する前の箕面のお店です。)
世界フェアトレード機関(WFTO)は以下の基準を設定しています。
1960年代、イギリスのNGOオックスファムが途上国支援のため手工芸品を輸入して販売したのが始まりと言われ、その後同様のフェアトレード団体がヨーロッパ各地に生まれました。
1980年代、砂糖やコーヒーの国際価格が暴落したのをきっかけに、途上国の農業生産者を支えることも必要だとして、フェアトレード市場に砂糖、コーヒー、紅茶、カカオなどの農産品が加わるようになりました。
1990年代フェアトレードを認証するフェアトレードラベル運動が起こり、また欧米の生協や大手スーパーがフェアトレード製品を扱うようになったことで、フェアトレードは一般消費者にも知られるようになりました。
いっぽう日本におけるフェアトレードへの取り組みは、1970年代に芽生えました。バングラデシュの農村に暮らす女性を支援するために手工芸品を輸入販売したNGO「シャプラニール=市民による海外協力の会」は草分け的な存在です。
その後「第3世界ショップ」「オルター・トレード・ジャパン」「グローバル・ビレッジ」「ネパリ・バザーロ」「ぐらするーつ」などのフェアトレード団体が生まれ、フェアトレード商品を扱うショップもしだいに増えてきました。しかし、欧米に比べると日本でのフェアトレードの認知度はまだまだスローペースです。
国際比較~認証フェアトレード製品の1人あたり年間消費金額(2008年、単位ユーロ)。 認証マークのついていない食品や手工芸品は含まれていない。それにしても日本(一番右)の消費量はひじょうに少ないことがわかる。
(オーストリアのグローバル教育NGO「Komment」 クリエ氏提供)
フェアトレードの国際基準に合っていることを認証する世界共通のラベルで、現在よく知られているのが 国際フェアトレードラベル機構(FLO)が発行する「フェアトレードラベル」(商品につけられる)【写真1】 と世界フェアトレード機関WFTO)が発行する「FTOマーク」(取り扱う団体につけられる) 【写真2】 です。
ラベルがついていることでフェアトレード商品であることがわかりやすく、フェアトレードを広めるのに一役買っています。
いっぽうでラベルの認証を受けるには複雑な手続きや費用が必要なため、小規模団体や手工芸品などは取得が難しいという問題点もあります。
ラベルが付いていてもいなくても、その商品の向こうにある生産者の顔や物語を知ることによって、それがフェアトレードの商品であることを確認したいものです。
espero店内にも置いてあります。どうぞ手にとって読んでみてください。
(写真提供:ネパリバザーロ)
大阪府箕面市を中心にフェアトレードを推進するNGO(非政府組織)。「ショッピングで国際協力」を合言葉に、東南アジア、アフリカ、中南米、アフガニスタンなどの地域・国々との間のフェアトレード運動を進めている。
阪大の平和研究授業で集まったメンバーが中心となって2008年に結成したフェアトレードサークル。
トゥマイニ・ニュンバーニとはスワヒリ語で“希望を我が家に”という意味。ケニアのHIV感染者の自立を促し孤児たちをサポートしていくことを目的としている。ケニアのママたちが作ったサイザル麻バッグはエスペーロでも販売中。
タイのチェンマイで活動しているNGOを通して、北タイのスト リートチルドレンの救済活動を支援している。エスペーロでは 「子どもの家」の子ども達が作 る工芸品を販売している。
外国人市民の人権保障と多文化共生社会の実現をめざして、多くのボランティア市民とともに活動している。
誰もが生き生き暮らせるように、知恵を寄せ合い、力を出し合い、ともに歩んでいく 新しい形の助けあい組織。